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高齢者が夜間頻尿から脱するために(1)模索 [高齢者夜間頻尿を脱するために]

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夜間頻尿は、睡眠不足の原因となり、日常生活に深刻な影響を与えます。

しかし、患者が、その原因特定と症状改善対策を見つけることは生易しいものでありません。

なぜなら、夜間頻尿の原因の多くが、疾病と加齢の複合要因であるのに対し、診療体制が、細かな専門診療科毎に分かれて独立しており、相互を総合統括して診断する一括診療体制が取られていないことにあります。

現に、私を含め、70歳以上の国民の90%が夜間頻尿に苦しんでいて、既に社会現象化しているのに、
高齢夜間頻尿を若年層の疾病基準で扱う現行医療体制に身を委ねて出口は見えるのだろうか?

(70歳以上の人口は2700万人を突破した。総人口に占める割合は21・5%(前年比0・8ポイント増)となった。総務省)

不眠による体調不良を抱え、多くの診療科を渡り歩き、徒労を嘆いているだけでは解決しそうにない。

この現実から何とか脱出する方法はないものか、自分なりに、その原因と対策について、弱った脳を
振り絞り、自らが、なりふり構わず、もがいてみるしか道はない。


1.夜間頻尿の定義と医療の現状

(1)夜間頻尿定義

夜間頻尿の医学的定義は、就寝時に排尿のため1回以上起きなければならない人の症状を言い
2回以上起きなければならない場合は治療の対象としております。

しかしこれらは、年齢を考慮しないアバウトな定義です。

  高齢男性の夜間(就寝中)排尿回数 70~79歳
      1回以上           92.1%
     2回以上           62.0%
     3回以上           31.5%
     4回以上           11.3%
  
  この年齢になると実に9割以上の方が夜間頻尿で、6割以上の方が要治療対象ということになってしまいます。
 しかし一方、高齢者の夜間頻尿が加齢に伴う経年劣化症状として、当然視される風潮があり、
いまだ、高齢者の夜間頻尿治療に対する総合的な一括治療体制は確立されていなかにみえる。


(2)細分化されている診療科の現状

夜間頻尿にかかわる診療科を並べ立てると腎臓内科、泌尿器科、心臓内科、循環器科、糖尿病内科、脳神経科などなど実に多岐にわたる。
尿量をコントロールするための各種センサーや起動ホルモン分泌臓器、血流中の分泌ホルモンを感知し反応、実行する各種臓器、脳神経が身体の広範囲に分散配置されているからです。

患者にとって、腎臓と膀胱は一対の臓器で排尿量に密接に関連しているはずと総合病院に行くと
頼りの腎臓内科医は腎臓の疾病は診断してくれても、膀胱の排尿量、排尿頻度についての診断は泌尿器科への受診を薦めるだけで受診は終了してしまう。
結局、夜間頻尿の高齢患者はみずからが病理の予測をして次の診療科を選択して、原因探求し続けなければ真理にたどり着けない仕組みです。
それならば、総合病院を諦めて、個人開業腎臓内科を頼ると、多くの場合、初診で過活動膀胱の診断が下り、治療薬が渡されて、毎回取替えひっかえ薬を変えながら完治を目指して、通院を続けることになる。

かくいう自分も要治療該当者で、連日の不眠による日常生活のQOLの低下に悩み、過去あれこれ受診を繰り返してきたが、いまだ芳しい治療効果は得られていません。

この状況を脱却すべく、一念発起、自ら症状を再確認、再認識したうえで高齢者夜間頻尿のメカニズムを素人なりに、自分が納得できる理論構成で、究明してみることにしたいと思います。


2.現状把握(症状確認)

(1)排尿の標準値確認

正常な尿量を確認しておこう?
体重60Kg成人男性
•尿量1分あたり1ml
•1時間あたり60 ml
•1回の排尿量300 ml (コップ1.5 杯)
•1回の排尿時間25 秒
•1日の排尿量1500 ml
•1日の排尿回数5 回
•排尿間隔5 時間に300ml
•初期尿意150ml〔2~3時間)
•膀胱容量300ml(5時間)

「体内に入った水分はおよそ3時間で尿になる。夜間頻尿で悩んでいる人は、まず夕食後の水を控える」

上記の標準量を基準として抑えておいて、自分がどれだけ標準と外れているのか認識することで、症状〔現状)を確認していくことができます。


(2)排尿記録表を作る(現状把握)

毎日、排尿時刻 、排尿量(cc)を記録して、排尿実態を把握する。


(3)膀胱機能チェック(原因になる疾病を絞る)

 排尿記録を検証して膀胱自体に頻尿原因になる疾病がないかチェックする

排尿記録表の数値を検証することにより、明らかに頻尿原因に該当しない病名を省いていく
(初期段階で、不要な憶測や猜疑心を排除して、解明対象を絞り込むのが目的です )

① 私の場合、1回の排尿量は最大400CCを記録しているので、膀胱の容量、弾力に問題はないと判断する。(膀胱蓄尿量 標準300CC)
  従って、前立腺肥大、膀胱萎縮、膀胱硬化などの疾病の懸念は排除する。

② 私の場合、尿意間隔は日中5時間以上、就寝中3時間以上で   知覚過敏症ガイドラインには該当しない。
  過活動膀胱症の懸念は排除する。


3.夜間多尿の原因を絞る

(1)夜間多尿の定義

一日の全排尿量中、就寝中(プラス翌朝初尿)の排尿量割合が33%を超える場合をいう。
(就寝時間8時間とすると1日の33%に相当するので、それ以上は夜間多尿)

私の排尿記録表の数値、一日の全尿量中、就寝中(プラス翌朝初尿)の割合が50%を超えている.
自分の場合は、頻尿というより昼間は少尿、夜間は多尿であることを認識した。
(睡眠が浅い場合には、夜間頻尿となるが、主原因はあくまで夜間多尿にあると認識した


(2)検査資料を検証して罹患に該当しない疾病をチェックする(原因の絞込み)

夜間多尿症状を呈する疾患として、慢性心不全、慢性腎炎、慢性腎不全、間質性腎炎、慢性腎盂腎炎、原発性アルドステロン血症などの低カリウム血症を来す疾患など様々な病気がある。

血液検査表、排尿分析表などの検診結果を検証することにより、明らかに罹患していない病名を省いていくことが可能です。
(初期段階で、不必要な憶測や猜疑心を排除して、解明対象を絞り込むのが目的です)

① 慢性心不全の疾病懸念は排除する
私の場合、数年前から、血管センターに定期受診しており、心臓疾患はクリヤーしている。
日常も、心不全に該当する症状(動悸、息切れ)がないので慢性心不全の疾病懸念は排除できる。

② 糖尿疾病の疾病懸念は排除する
血糖1本(血中血糖値)基準値内→糖尿疾患の懸念は排除できる。
HbA1C(1か月平均血糖値)基準値内→糖尿疾患の懸念は排除できる。

③ 腎臓疾病の懸念は排除する

腎臓内科を受診して、血液検査、尿検査を行い、腎臓機能が正常であるとの医師の診断を得た。腎臓疾病の懸念を排除する

アルブミン(血中蛋白)基準値内→尿蛋白流失はない。

④ 腎機能の留意事項(e-GFRの機能低下)あり
 血液検査e-GFR (腎臓糸球体濾過量)L 72
 e-GFR (腎臓糸球体濾過量)の正常値は90以上とされている
 私の場合年齢考慮すると
 年齢の割りには良好であり治療対象にには入らないとの医師の診断であった。

高齢化に伴うe-GFR(腎臓糸球体濾過量)の機能減少割合は一般的に20%~30%減少という。

自分の昼間少尿の原因は、高齢化に伴うe-GFR(腎臓糸球体濾過量)の機能減少が主要因の可能性が高くなってきました。
だが、それでは、夜間になると多尿に急転するのはなぜなのか? 
(実体験として、私の場合、一日の排尿量の60%は就寝中に製造されている、 単位時間当たりの製造量に換算すると、実に、日中の5倍に相当する激増なのです)


問題点が絞られてきたようです。
  
次回から、夜間多尿に関する医学文献を読み比べて検証して行くことにします。

(続く)




(参考文献)

夜間頻尿( のうとう病院)
https://kani.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2019/09/yakanhinnyou.pdf

夜間多尿の原因と対策(NHK)
http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20060413/

高齢者夜間多尿の病態と対処
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_of_geriatrics_50_4_434.pdf

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