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高齢者夜間頻尿を脱するために ブログトップ

高齢者が夜間頻尿から脱するために(1)模索 [高齢者夜間頻尿を脱するために]

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夜間頻尿は、睡眠不足の原因となり、日常生活に深刻な影響を与えます。

しかし、患者が、その原因特定と症状改善対策を見つけることは生易しいものでありません。

なぜなら、夜間頻尿の原因の多くが、疾病と加齢の複合要因であるのに対し、診療体制が、細かな専門診療科毎に分かれて独立しており、相互を総合統括して診断する一括診療体制が取られていないことにあります。

現に、私を含め、70歳以上の国民の90%が夜間頻尿に苦しんでいて、既に社会現象化しているのに、
高齢夜間頻尿を若年層の疾病基準で扱う現行医療体制に身を委ねて出口は見えるのだろうか?

(70歳以上の人口は2700万人を突破した。総人口に占める割合は21・5%(前年比0・8ポイント増)となった。総務省)

不眠による体調不良を抱え、多くの診療科を渡り歩き、徒労を嘆いているだけでは解決しそうにない。

この現実から何とか脱出する方法はないものか、自分なりに、その原因と対策について、弱った脳を
振り絞り、自らが、なりふり構わず、もがいてみるしか道はない。


1.夜間頻尿の定義と医療の現状

(1)夜間頻尿定義

夜間頻尿の医学的定義は、就寝時に排尿のため1回以上起きなければならない人の症状を言い
2回以上起きなければならない場合は治療の対象としております。

しかしこれらは、年齢を考慮しないアバウトな定義です。

  高齢男性の夜間(就寝中)排尿回数 70~79歳
      1回以上           92.1%
     2回以上           62.0%
     3回以上           31.5%
     4回以上           11.3%
  
  この年齢になると実に9割以上の方が夜間頻尿で、6割以上の方が要治療対象ということになってしまいます。
 しかし一方、高齢者の夜間頻尿が加齢に伴う経年劣化症状として、当然視される風潮があり、
いまだ、高齢者の夜間頻尿治療に対する総合的な一括治療体制は確立されていなかにみえる。


(2)細分化されている診療科の現状

夜間頻尿にかかわる診療科を並べ立てると腎臓内科、泌尿器科、心臓内科、循環器科、糖尿病内科、脳神経科などなど実に多岐にわたる。
尿量をコントロールするための各種センサーや起動ホルモン分泌臓器、血流中の分泌ホルモンを感知し反応、実行する各種臓器、脳神経が身体の広範囲に分散配置されているからです。

患者にとって、腎臓と膀胱は一対の臓器で排尿量に密接に関連しているはずと総合病院に行くと
頼りの腎臓内科医は腎臓の疾病は診断してくれても、膀胱の排尿量、排尿頻度についての診断は泌尿器科への受診を薦めるだけで受診は終了してしまう。
結局、夜間頻尿の高齢患者はみずからが病理の予測をして次の診療科を選択して、原因探求し続けなければ真理にたどり着けない仕組みです。
それならば、総合病院を諦めて、個人開業腎臓内科を頼ると、多くの場合、初診で過活動膀胱の診断が下り、治療薬が渡されて、毎回取替えひっかえ薬を変えながら完治を目指して、通院を続けることになる。

かくいう自分も要治療該当者で、連日の不眠による日常生活のQOLの低下に悩み、過去あれこれ受診を繰り返してきたが、いまだ芳しい治療効果は得られていません。

この状況を脱却すべく、一念発起、自ら症状を再確認、再認識したうえで高齢者夜間頻尿のメカニズムを素人なりに、自分が納得できる理論構成で、究明してみることにしたいと思います。


2.現状把握(症状確認)

(1)排尿の標準値確認

正常な尿量を確認しておこう?
体重60Kg成人男性
•尿量1分あたり1ml
•1時間あたり60 ml
•1回の排尿量300 ml (コップ1.5 杯)
•1回の排尿時間25 秒
•1日の排尿量1500 ml
•1日の排尿回数5 回
•排尿間隔5 時間に300ml
•初期尿意150ml〔2~3時間)
•膀胱容量300ml(5時間)

「体内に入った水分はおよそ3時間で尿になる。夜間頻尿で悩んでいる人は、まず夕食後の水を控える」

上記の標準量を基準として抑えておいて、自分がどれだけ標準と外れているのか認識することで、症状〔現状)を確認していくことができます。


(2)排尿記録表を作る(現状把握)

毎日、排尿時刻 、排尿量(cc)を記録して、排尿実態を把握する。


(3)膀胱機能チェック(原因になる疾病を絞る)

 排尿記録を検証して膀胱自体に頻尿原因になる疾病がないかチェックする

排尿記録表の数値を検証することにより、明らかに頻尿原因に該当しない病名を省いていく
(初期段階で、不要な憶測や猜疑心を排除して、解明対象を絞り込むのが目的です )

① 私の場合、1回の排尿量は最大400CCを記録しているので、膀胱の容量、弾力に問題はないと判断する。(膀胱蓄尿量 標準300CC)
  従って、前立腺肥大、膀胱萎縮、膀胱硬化などの疾病の懸念は排除する。

② 私の場合、尿意間隔は日中5時間以上、就寝中3時間以上で   知覚過敏症ガイドラインには該当しない。
  過活動膀胱症の懸念は排除する。


3.夜間多尿の原因を絞る

(1)夜間多尿の定義

一日の全排尿量中、就寝中(プラス翌朝初尿)の排尿量割合が33%を超える場合をいう。
(就寝時間8時間とすると1日の33%に相当するので、それ以上は夜間多尿)

私の排尿記録表の数値、一日の全尿量中、就寝中(プラス翌朝初尿)の割合が50%を超えている.
自分の場合は、頻尿というより昼間は少尿、夜間は多尿であることを認識した。
(睡眠が浅い場合には、夜間頻尿となるが、主原因はあくまで夜間多尿にあると認識した


(2)検査資料を検証して罹患に該当しない疾病をチェックする(原因の絞込み)

夜間多尿症状を呈する疾患として、慢性心不全、慢性腎炎、慢性腎不全、間質性腎炎、慢性腎盂腎炎、原発性アルドステロン血症などの低カリウム血症を来す疾患など様々な病気がある。

血液検査表、排尿分析表などの検診結果を検証することにより、明らかに罹患していない病名を省いていくことが可能です。
(初期段階で、不必要な憶測や猜疑心を排除して、解明対象を絞り込むのが目的です)

① 慢性心不全の疾病懸念は排除する
私の場合、数年前から、血管センターに定期受診しており、心臓疾患はクリヤーしている。
日常も、心不全に該当する症状(動悸、息切れ)がないので慢性心不全の疾病懸念は排除できる。

② 糖尿疾病の疾病懸念は排除する
血糖1本(血中血糖値)基準値内→糖尿疾患の懸念は排除できる。
HbA1C(1か月平均血糖値)基準値内→糖尿疾患の懸念は排除できる。

③ 腎臓疾病の懸念は排除する

腎臓内科を受診して、血液検査、尿検査を行い、腎臓機能が正常であるとの医師の診断を得た。腎臓疾病の懸念を排除する

アルブミン(血中蛋白)基準値内→尿蛋白流失はない。

④ 腎機能の留意事項(e-GFRの機能低下)あり
 血液検査e-GFR (腎臓糸球体濾過量)L 72
 e-GFR (腎臓糸球体濾過量)の正常値は90以上とされている
 私の場合年齢考慮すると
 年齢の割りには良好であり治療対象にには入らないとの医師の診断であった。

高齢化に伴うe-GFR(腎臓糸球体濾過量)の機能減少割合は一般的に20%~30%減少という。

自分の昼間少尿の原因は、高齢化に伴うe-GFR(腎臓糸球体濾過量)の機能減少が主要因の可能性が高くなってきました。
だが、それでは、夜間になると多尿に急転するのはなぜなのか? 
(実体験として、私の場合、一日の排尿量の60%は就寝中に製造されている、 単位時間当たりの製造量に換算すると、実に、日中の5倍に相当する激増なのです)


問題点が絞られてきたようです。
  
次回から、夜間多尿に関する医学文献を読み比べて検証して行くことにします。

(続く)




(参考文献)

夜間頻尿( のうとう病院)
https://kani.jcho.go.jp/wp-content/uploads/2019/09/yakanhinnyou.pdf

夜間多尿の原因と対策(NHK)
http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20060413/

高齢者夜間多尿の病態と対処
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/clinical_practice_of_geriatrics_50_4_434.pdf

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高齢者夜間多尿を脱するために(2) 原因究明 [高齢者夜間頻尿を脱するために]

  高齢者夜間多尿メカニズムの求明

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参考文献 水分補給のサイエンス
http://www.ilsijapan.org/ILSIJapan/BOOK/Newsletter/Water-2-NL_1006.pdf

医療関係者でない私が、この問題を追及しようとするのは、自分自身が夜間頻尿に苦しむ高齢者であって、いまだ確たる原因と治療方法が見出だせない不安と混沌の中にあることです。

(症状の詳細については、「高齢者夜間頻尿を脱するために(1)」を参照ください。)

原因は病にあるのか、高齢者の体内メカニズムの変調か、間違った生活習慣の弊害なのか?

あがき続ける中で、「高齢者の夜間頻尿(夜間他尿)」に関する参考文献や「体液生理」、「体内ホルモン」に関する各種文献を読み、問題解明の多くの貴重な示唆とともに、都市伝説的論理矛盾も存在することに気づきました。

それらを検証する過程で、自分自身(高齢者)の夜間多尿の原因と対策を把握できたらとの思いで記述するものです。


1.高齢者夜間多尿〔頻尿〕の原因を 「加齢により夜間に多く分泌されていた抗利尿ホルモンの分泌が減少するため」との説明は患者の疑問に答えていない

  高齢者の夜間多尿の原因(メカニズム)を究明するのに、論理的説明展開を
  妨げているのはじつは、高齢者夜間頻尿のメカニズムの説明に多用され
  有名になりすぎた「抗利尿ホルモン」の説明フレーズにあると考えられます。

  抗利尿ホルモン分泌の条件(トリガー)から検証していきます。
   

(1)「抗利尿ホルモン」が分泌されるための条件(トリガー)とは?

①「抗利尿ホルモン」は浸透圧系の水分調節メカニズムで分泌されるホルモンです。

② 脳下床部にある浸透圧センサーが感知して「抗利尿ホルモン」の増加分泌を指示する
  トリガーの起動条件は、細胞内の水分が浸透圧で細胞外に染み出して細胞が外形を
  保てなくなるほどに細胞外溶液(含む血液)が高濃度になることが条件です。
 (細胞内溶液を確保する目的で血液濃度を今より上げないように「抗利尿ホルモン」を
  分泌して、尿から水分を濾過回収して血液中に戻して水分の体外排出量を抑えるのが
  目的です)

  言い換えると、細胞外溶液の3分の1を占める血管血液が  一定を超える高濃度に達して初めて「抗利尿ホルモン」分泌トリガーが発動する  ということです。

  通常、水分摂取が途絶える就寝時に、発汗や呼吸で体内の水分が放出されると、
  体内溶液(血液)が高濃度になり、
  浸透圧センサーがトリガーを起動する条件が整うことになる。

 
 「抗利尿ホルモン」を、メラトニンのように夜間に分泌が増える「睡眠ホルモン」と混同
  してはいけない。
 「抗利尿ホルモン」は
  血液濃度が高濃度になって初めて、状況改善のために分泌されるようにプログラムされて
  いるからです。

 単に夜間であるというだけで「抗利尿ホルモン」が昼間より多く分泌されるかのようなフレーズ表現が不適切な事は明らかです。


(2)高齢者の血液は、通常、水分過剰状態にあることを忘れていないか。

高齢者は常態的に少尿で、血液が、水分過剰状態にある
(説   明)
① 疾病を伴わなくとも、高齢者の腎臓濾過量(e-GRF)は、加齢で増加するカテコラニンの影響を受け、若年時に比較して2~3割減少している。(少尿)

②腎臓の機能低下で、高齢者の時間当たり尿生産量(排尿量)はもともと少ないのが通常といえる。
そのため、日中の食事、飲水を伴う体内水分量の増加・上昇分を排尿で排出し切れなくなる。

③ 上記の理由で、高齢者の血液は常時、血中水分が過剰(低濃度)の状態におかれているのは周知の事実である。

④ 高齢者は、上記の理由で、体内溶液が水分過剰の常態下におかれているため、昼夜に関係なく「抗利尿ホルモン」が分泌される環境下にない。

結 論

加齢により夜間に「抗利尿ホルモン」の分泌が少なくなるのではない。

高齢者の体内溶液が水分で溢れ返っていて「抗利尿ホルモン」トリガーが起動する環境にないため、まったく分泌することができないのが真実である。

高齢者のほとんどが「抗利尿ホルモン」を分泌できない(分泌不要な)ほどの体液(血液)水分過剰環境にあり、しかもそれが常態化してしまっている事実を認識する必要がある。

私は重ねて言う!

加齢により夜間に「抗利尿ホルモン」の分泌がないという事実は、高齢者特有の少尿が
もたらした結果であって、決して「抗利尿ホルモン」分泌量の多寡が、高齢者の尿量を
コントロールしているわけでない。

高齢者の血液環境下(血中水分過剰状態)では、全身の水分調節機能は浸透圧系の水分調節メカニズム(抗利尿ホルモン)では制御できず、容量調節系水分調節メカニズムにより制御されるのです。
「加齢により抗利尿ホルモンの夜間の分泌が減る」という有名なフレーズは、
高齢者の夜間頻尿(多尿)の真の原因(メカニズム)を追求する究明努力を誤導する弊害を生みだしているのです。


2.高齢者は、もともと特に疾病がなくとも常態的に昼間少尿、就寝時多尿であるという事実

前段の検証で、抗利尿ホルモンが高齢者夜間多尿の支配要因でないことを明らかにしたので、
次に、昼間少尿、就寝時多尿の現実を医学文献を読み比べることにより、そのメカニズムを
整理して行きたい。

(1)高齢者が昼間少尿である理由

  加齢に伴い、血中カテコラミンが増加して、高齢者ほど腎臓機能が低下するとが
  知られている。
  血液検査で検査可能な e-GFR(腎臓糸球体濾過量)で比較すると 
  若年層の標準値下限が90なのに対し
  70歳台の高齢者のe-GFRは、通常60~70程度であり、若年当時に比べると 
  20%~30%程度濾過量(尿)が少ないことが知られている。

  高齢者は、特に疾病がない状態でも、加齢に伴い腎臓機能が低下して、

  若年に比べると尿生産量はおおむね3割近く減少し、排尿量(排尿に伴う水分の
  排水量)も少なくなる。


  以上が、高齢者の大半が加齢とともに昼間少尿になる主要因と考えられます。


(2)高齢者の昼間少尿は、全身溶液に過剰な水分を蓄積させる。

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下半身にうっ血、むくみとなって大量に蓄積される水分
https://matome.naver.jp/odai/2146779683683711601/2146798601643601603
通常、血液は心臓から動脈を通じて送り出され、より細い細動脈や、さらに細い毛細血管へと行き渡る。血液に含まれた酸素や栄養素は、水分に溶けて毛細血管の細胞膜を通って細胞に入っていく。酸素が二酸化炭素に変わり、栄養素が使われた後、水分は役目を終えて静脈に回収され、心臓に戻る。

高齢者は昼間少尿のため、日中の飲食から摂取される増加水分を排出処理し切れず血中水分は逓増する。
水分過剰となった血液が体内を循環するうち、浸透圧で血管内水分は吸い出され体内間質水となって体内全体、
特に血液滞留の起こりやすい下肢部分にむくみとなって過剰水分が蓄積され続ける。

特に、身体を動かす機会が少なくなる高齢者の場合、重力のために血液が下半身に
溜まり、心臓に戻りにくくなるので、細胞や毛細血管から水分が回収されずに、
むくみとして下半身に大量の過剰水分が蓄積される。(エコノーミー症候群と似た状況)


(3)高齢者が夜間〔就寝時)に多尿になる理由

 1.高齢者が就寝以降、一転して多尿となるきっかけは、就寝臥位による心臓血流の変化です。

① 身体を横たえると、下肢部分を中心に、日中過剰に蓄えられた下半身のうっ血が
 大量に右心房に流入して血量を急増させ、 心房内にある容量調節系受容器(センサー)
 を刺激する。

② 刺激を受けたセンサーは全身の体液が過剰状態であると読み取り、排尿により過剰な体液を体外に
 排出するよう命令して、血中に各種ナトリウム利尿ペプチドの分泌を開始する。
  
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     体液の生理のキホンを知ろう! 株式会社日本医事新報社
     https://www.jmedj.co.jp/premium/yueki/data/0001/

③ 腎臓は循環流入する血流量の増大と共に、分泌された利尿ホルモンの命令を受け、
 腎臓糸球体濾過量を増大させて、活発に尿を増産し、血液中の過剰水分を尿として体外に
 排出しようと活動を活発化する。(ここまでが夜間多尿の1段階)
 
 自分の排尿測定によれば、就寝中排尿は、回数、量とも日中排尿量の2倍に達します。
 就寝臥位による心臓血流の変化による排尿だけでは説明がつきません。


(夜間多尿の2段階 ここからは推論)


 就寝臥位変化に伴う心臓血流の変化をトリガーとする排尿が一段落した後は

2. 日中、全身の細胞角膜内に体内間質水として大量に蓄積され続けた過剰水分の還流が始まる。

① 就寝臥位変化に伴う排尿トリガー作動により(ナトリウム排出を伴う)急激な体液排出が行われ、血中カリウム量が適正体液量とみなされるまで利尿と膀胱への蓄尿が大量に継続される。(就寝時排尿が開始される

② 血中カリウム量が適正値(3.6~5.0mEg/L)になるまでは、大量の尿排出が続き、血液は急速に濃縮される。

⑦高濃度になった血液は、血管外体液との浸透圧の差が急拡大して、日中、全身の間質に過大蓄水されていた大量の水分が短時間で血管内に還流を開始する。

⑧全身間質水の還流で急激に増量した血液は再び心臓心房内にある容量調節系受容器(センサー)を激しく刺激して呼応するナトリウム利尿ホルモンが分泌され、今までにも増して、利尿が促進されることとなる。
  
③ 就寝中の排尿量は1回目より2回目、2回目より3回目と時間当たり排尿量は急増する傾向が確認されている。
     この事実は自説メカニズムの推論と符合し、整合する。


3.夜間尿の排出停止

体内に蓄積されていた過剰水分が体外に排出され尽し、腎臓を通過する血液流量(ナトリウム利尿ペプチド)が減少すると腎臓内のRAA系自律調節センサーが働きRAA抗利尿ホルモンを分泌して、尿からナトリウムと水分を回収して血管内に戻す機能を開始する。(尿の濃縮が始まる)
この状態に至ってようやく夜間〔就寝時)頻尿の悪循環は終了して、昼間少尿のサイクルが再開する。

日中前半は、血管外間質水との浸透圧差が解消されるまで抗利尿ホルモンが分泌されていて、摂取した水分は排出を妨げられるので、血中水分蓄積が進む、それに高齢者腎機能の低下が加わり、日中後半は排出されなかった水分が細胞に蓄積されていくことになる。

   
  以上が、高齢者の大半が加齢とともに就寝時多尿(睡眠が浅い場合は頻尿)になる
  メカニズムではないかと推論します。

  高齢者の夜間多尿の原因を単に「加齢により夜間に抗利尿ホルモンの分泌が
  少なくなるため」と解説するフレーズは,背後にある真の理由の数々を省略
  した乱暴で誤解を招きやすい不適切な表現であり、訂正が必要であることを強調したい。

                                   完

 後  記  

  私は、70台の夜間頻尿患者であって、 医療の専門家でありません。
  夜間多尿に苦しみ、何とか現在のQOLの低下を改善したくて、参考文献を読み
  合わせ、高齢者夜間多尿のメカニズムを探るなかで、上記結論にいたりました。

  以上は、ディスカッションされた結論ではなく、自己判断で諸要因を選択して組み立て直した
  推論であり、高齢者夜間多尿症の発症の全てを論じるものでありません。

  その意味からも、本文の無断転用はご遠慮ください。
 
  貴重な文献を公表いただいた関係者の皆様には,本文をもって敬意と
  感謝の念とさせていただきます。


  次回は高齢者頻尿症のQOLの改善策について検討をすすめる予定です。


  〔続く)

  



(参考文献)



体液生理の基本
https://www.jmedj.co.jp/premium/yueki/data/0001/

高齢カルテルミンの増加による日中貧尿と夜間多尿
参考文献
夜間多尿の原因と対策NHK
http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20060413/

抗利尿ホルモン
浸透圧調節系は細胞の大きさ(細胞内液量)を調節しています。この浸透圧調節系の主な受容器は脳の視床下部にあるといわれています。その調節の仕方ですが、まずバソプレッシンという抗利尿ホルモンが分泌されます。このホルモンは腎臓で、水の選択的な再吸収を増加させますが、溶質の再吸収を亢進させる機能は持っていないため、濃縮された少量の尿が排泄されるようになります。水の選択的な再吸収の亢進により細胞外液の浸透圧の上昇を抑えます。

体内のナトリウム量
容量調節系細胞外液の量を調節しています。主な受容器は心臓の心房にあるといわれており、容量調節系は体内のナトリウム量を調節することにより機能します。浸透圧調節系が正常に機能している時は、体内のナトリウム量が細胞外液量を決定するため、ナトリウム量を一定にすれば、通常、細胞外液は一定に保たれます。また、心房に受容器があるために実際に体液が減っていなくても、心房の伸展の度合いが変化するとわれわれの体は体液が変化したと感知します。 例えば臥位時は立位時に比べて心房の伸展度合いが大きくなり、体液量が増加したと感知され、血液量を減少させる調節が行われます。ナトリウム量の調節にはレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系と呼ばれる自律性の調節機能が関わっています。細胞外液量が減少すると腎臓の傍糸球体装置からレニンが分泌され、アンギオテンシンIIが増加して副腎皮質からアルドステロンが分泌さます。アルドステロンは、腎臓でのナトリウムの再吸収を促進して、体外へのナトリウムの損失を防ぎ、細胞外液量の減少を小さくするために働きます。

参考資料 水分補給のサイエンス レポート考察
上記レポートから、膀胱蓄尿量に関する数多くの科学的示唆を得ることができる。

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夜間多尿 大田市立病院
http://www.ohda-hp.ohda.shimane.jp/100.html
加齢に伴って血中のカテコラミンは高くなりますが、夜間頻尿の方の血中カテコラミンは夜間頻尿のない方より高値です。カテコラミン高値では日中の腎血管抵抗が高く、腎血流量が不十分で必要な尿量が産生できません。  そのため、細胞外水分量が増加し、むくみの原因となります。このような人が臥位になると下半身に貯まった水分が循環され尿に排泄され、結果的に就寝中の尿量が増加して夜間頻尿を増悪させます。
不眠を治療することで、逆に夜間頻尿が改善する場合があります。こうした観点から外来治療において睡眠薬を夜間頻尿の治療目的で使用することがあります。
 患者さんは、癖になるからと内服を自重する方も居られますが、最近の睡眠薬は作用時間も短く、内服量を間違わなければ比較的安全に使用できると考えます。

夜間多尿の原因と対策NHK
http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20060413/
夜間多尿の原因は水分過剰摂取または高血圧
まず、夜間多尿の原因としての水分過剰摂取です。夜間の尿量が、早朝尿を含めて1日尿量の35%以上ある場合を夜間多尿といいます。私たちの検討では、高齢夜間頻尿群と高齢健常群の比較で、1日尿量は夜間尿量分だけ高齢夜間頻尿群で多くなっていました。また高齢夜間頻尿群では日中も早朝も、尿浸透圧は低下していました。体内総水分量に対する細胞外水分量の割合、つまり浮腫率は高齢健常群でも高齢夜間頻尿群でも若年健常群より常に高く、高齢夜間頻尿群では日中から就寝前にかけてさらに浮腫率が増加していました。つまり、高齢夜間頻尿群では、水分摂取量が多く、日中は薄い尿を排泄しているものの、体内にも水分が貯留し、その貯留した多量の水分を夜間に排泄しているのです。原因は水分過剰摂取です。
一方、高血圧も夜間多尿の原因になります。血中のドパミン、ノルアドレナリンやアドレナリンといったカテコラミンは加齢に伴って上昇しますが、高齢夜間頻尿群では高齢健常群と比べても上昇しており、高齢夜間頻尿群には高血圧症の症例が多いのです。夜間就寝中のカテコラミンは高齢夜間頻尿群でも日中より低下しますが、それでも若年健常群の日中のレベルにあります。
カテコラミン高値では腎血管抵抗が高く、腎血流量が低下し、尿産生量が必要量に満たないのです。この状態がカテコラミン高値の高齢夜間頻尿群の日中の状態です。高齢夜間頻尿群では水分過剰摂取と高血圧のため、体内の細胞外水分量の割合が増えて心臓に負荷がかかり、結果としてナトリウム利尿ペプチドのHANPやBNPが上昇します。夜間、就寝中にカテコラミンが低下すると腎血管抵抗が低下し、腎血流量が増え、上昇しているHANPやBNPの作用もあって尿の産生が増加し、夜間多尿の状態になると考えられます。
夜間多尿のその他の原因としては、加齢に伴う腎濃縮能の低下、うっ血性心不全、糖尿病、尿崩症、カルシウム拮抗薬、寒冷刺激、抗利尿ホルモンの日内変動消失などがあります。しかし、これらの多くは日中も頻尿です。

夜間多尿の原因と対策NHK
http://medical.radionikkei.jp/yakugaku/date/20060413/
夜間多尿の原因は水分過剰摂取または高血圧

ナトリウム利尿ペプチド
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/41/12/41_1302/_article/-char/ja/
アルドステロン
https://www.adalat.jp/ja/home/pharmacist/basic/01/t07.php
腎臓の輸入細動脈の壁にある傍糸球体細胞からレニンが分泌され、血液中のアンジオテンシノーゲンからアンジオテンシンIという物質をつくります。アンジオテンシンIはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によりアンジオテンシンIIに変換されます。
アンジオテンシンIIは全身の動脈を収縮させるとともに、副腎皮質からアルドステロンを分泌させます。 アルドステロンはNaを体内に溜める働きがあり、これにより循環血液量が増加して心拍出量と末梢血管抵抗が増加します。
これをレニン-アンジオテンシン‐アルドステロン系(Renin-Angiotensin-Aldosterone System;RAAS)といい、血圧上昇後にはレニンの分泌は抑制され、この系の働きが低下します。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1989/98/3/98_3_558/_article/-char/ja/
(結論) 高齢者では潜在的に軽度の心不全を持っている症例が多く, 昼間に尿量減少を示す傾向があり, 昼間に生じた軽度のうっ血状態を改善するために相対的に夜間尿量が増加し, 心負荷を軽減している可能性が示唆された. 夜間多尿による夜間頻尿症例のなかには少なからず潜在性心不全による多尿患者が含まれている可能性があり, バゾプレッシン製剤を眠前に使用するか, 利尿剤を昼間に使用して相対的に夜間尿量を減少させるのかの指針にBNP(利尿ペプチド)が有効であると思われた.

尿量調節メカニズム
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AB/10-%E5%86%85%E5%88%86%E6%B3%8C%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%A8%E4%BB%A3%E8%AC%9D%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3/%E6%B0%B4%E4%BB%A3%E8%AC%9D/%E4%BD%93%E6%B6%B2%E9%87%8F%E7%95%B0%E5%B8%B8%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81

ナトリウムは細胞外液中で浸透圧活性をもつ主要なイオンであるため,体内総ナトリウム量が細胞外液量を規定する。体内総ナトリウム量の不足または過剰により,細胞外液量の減少または過剰が生じる。血清ナトリウム濃度は必ずしも体内総ナトリウム量を反映しない。
食事摂取および腎排泄により体内総ナトリウム量が調節される。総ナトリウム量および細胞外液量が少ない場合,腎臓はナトリウム保持を増加させる。総ナトリウム量および細胞外液量が多い場合,ナトリウム排泄(ナトリウム利尿)が増加して細胞外液量は減少する。
腎臓のナトリウム排泄はナトリウム摂取に応じて幅広く調節される。腎臓でのナトリウム排泄には,まずナトリウムが腎臓に到達している必要があるため,排泄は腎血流量およびGFRに依存する。したがって,不十分なナトリウム排泄は,慢性腎臓病または心不全にみられるような腎血流量の減少に続発することがある。
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は,腎臓でのナトリウム排泄の主要な調節機構である。体液量が減少した状態では,GFRおよび遠位ネフロンへのナトリウム輸送が減少しレニンが放出される。レニンはアンジオテンシノーゲン(レニン基質)を切断してアンジオテンシンIを生成する。次にACEがアンジオテンシンIを切断してアンジオテンシンIIに変換する。アンジオテンシンIIは以下の作用を有する:
ナトリウムの濾過量を減少させ近位尿細管からのナトリウム再吸収を増強することによって
ナトリウム保持量を増加させる
血圧を上昇させる(昇圧作用を有する)
口渇を増強する
水分排泄を直接的に障害する
副腎皮質を刺激してアルドステロンを分泌させ,腎臓の複数の機序を介してナトリウム再吸収を増加させる
アンジオテンシンIはアンジオテンシンIIIにも変換され,これは昇圧作用は弱いがアンジオテンシンIIと同程度にアルドステロン放出を刺激する。アルドステロンの分泌は高カリウム血症によっても刺激される。
その他のナトリウム利尿因子
他にいくつかのナトリウム利尿因子が同定されており,この中には心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP),脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP),C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)などがある。
ANPは心房組織によって分泌される。濃度は,細胞外液過剰(例,心不全,慢性腎臓病,腹水を伴う肝硬変)や原発性アルドステロン症に反応して,または原発性高血圧患者の一部で上昇する。ネフローゼ症候群を有し,細胞外液減少があると考えられる患者群では低下する。濃度が高値であれば,血圧が低い場合でもナトリウム排泄が増加しGFRが上昇する。
BNPは主として心房および左室で合成され,ANPと類似の誘発作用や作用を有する。BNP測定は簡便に利用できる。BNP濃度高値が体液量過剰の診断に用いられる。
CNPは,ANPおよびBNPとは異なり,主として血管拡張作用をもたらす。
ナトリウムの不足と過剰
足に至るには,ナトリウム摂取不十分に加えて皮膚,消化管,または腎臓(腎臓のナトリウム保持異常)からの異常な喪失が必要である。腎臓のナトリウム保持異常は,原発性腎疾患,副腎機能不全,または利尿薬療法に起因することがある。
ナトリウムが過剰となるためには,ナトリウムの摂取量が排泄量を上回る必要がある;しかし,正常な腎臓は大量のナトリウムを排泄できるため,ナトリウム過剰は一般に腎血流およびナトリウム排泄の調節異常(例,心不全,肝硬変,または慢性腎臓病などでみられる)を示唆する。
体液量および電解質濃度は,食事摂取量,代謝活動,環境ストレスの大幅な変化にもかかわらず,正常ではごく狭い範囲内に維持される。体液のホメオスタシスは主に腎臓によって維持される。
水およびナトリウムの平衡は密接に相互依存している。体内総水分量(TBW)は,男性では体重の約60%(肥満者での約50%から痩身者での70%),女性では体重の約50%である。TBWのほぼ3分の2が細胞内にあり(細胞内液,ICF),残り3分の1は細胞外にある(細胞外液,ECF)。正常では細胞外液の約25%が血管内にあり,残る75%は間質液である( 平均的な70kgの男性の体液コンパートメント)。

体液生理の基本
https://www.jmedj.co.jp/premium/yueki/data/0001/

高齢夜間多尿日本老齢医学会
CKD(慢性腎臓病)などによる腎機能低下も夜間多尿に関与する.加齢に伴い,腎重量の減少,糸球体硬化,間質の線維化,尿細管萎縮,Type I コラーゲンの発現,腎動脈硬化などが起こることにより,高齢者では尿の濃縮力低下に加え,食事摂取後の速やかな排泄能が低下し,夜間の尿量増加が起こる11).過度の飲水,尿崩症による多尿のほか,うっ血性心不全,末梢静脈還流不全,過剰な塩分摂取,低アルブミン血症などによる Third-space loss による夜間多尿が挙げられる9).また,慢性心不全の初期症状に夜間多尿が現れる.曽根ら13)は,高齢の夜間頻尿患者において,脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)高値例では昼間の尿量低下から相対的な夜間尿量増加を認めていることを報告し,潜在的心不全により昼間に生じた軽度のうっ血状態を改善させるために,夜間尿量が相対的に増加し,心負荷を軽減している可能性を示唆している.睡眠時無呼吸では,胸腔内圧の陰性化による心拡大が,ナトリウム利尿ペプチド上昇,尿産生の増加を起こし,夜間多尿となる機序が考えられている.また,最近では,心不全などの体液の過剰を呈する疾患において,夜間睡眠時の仰臥位の姿勢に伴って起こる下肢から上半身への体液移動が,睡眠時無呼吸の重症度と関連する14)ことから,夜間多尿と睡眠時無呼吸との強い関連性が示唆されている.

デスモブレシンスプレー三浦医院
https://muc-kobe.jp/%E5%A4%9C%E9%96%93%E9%A0%BB%E5%B0%BF%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
夜間に抗利尿ホルモンというホルモンが脳から分泌され、尿を濃くして尿量を減らすように働きかけているからなのです。しかし、加齢とともにこのホルモンが昼間に分泌されるようになってしまうことがあり、そうなると昼間の尿量は少なくなりますが、夜間はホルモンが分泌されないため尿量が増えることになります。

a. デスモプレシン
この薬剤は男性の夜間多尿患者さんに保険適応となっています。(女性には使用できません)この薬剤は、上述の抗利尿ホルモンの合成アナログ製剤で、眠前に内服することにより抗利尿ホルモンと同様に尿を濃くする作用があり、夜間の尿量を減少させることができる非常に有効な製剤です。残念ながら本邦では女性に使用することはできません。注意点は、心不全の患者さんには使用できないことです。この薬剤を内服するうえでは採血検査を行い、内服可能かどうかをチェックすることが必要です。

b. 利尿剤
女性ではデスモプレシンが使用できないため、利尿剤を昼から内服してもらい、夜間にでる尿を寝るまでに強制的に出させてしまい、夜間の尿量を減少させるのが狙いです。
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睡眠薬の使用をやめたい! (3)夜間頻尿 [高齢者夜間頻尿を脱するために]

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私が、眠剤を使うきっかけになったのは、高齢になってからの夜間頻尿でした。

睡眠不足の毎日が続き辛い時期に、たまたま腰痛を発症して、病院で処方された鎮痛剤で久々に熟睡を味わうことが出来た。

その後も夜間頻尿による睡眠不足と心身不調が続いたことから、ついつい、睡眠導入剤に頼るようになってしまったのです。

医師に不眠の苦痛を強く訴え、無理に頼み込んで処方してもらったのは非ベンゾジアゼピン系眠剤マイスリー。
ベンゾジアゼピンの欠点を改良して開発されたとされている。

寝入りばなの2時間だけ有効な超短期反応型の最小錠剤(5mg)で、薬効は短時間で消えて後に影響を引かない実績から、低リスク治療用睡眠導入剤として医院で普通に処方されてきた。

眠剤を出してもらうのに30日ごとに受診する必要があることから、連続服用に副作用のリスクを内包することをうすうす想像できても、深刻な睡眠不足から開放されて正常な日常生活を取り戻すためには、通院しながらの必要最小限度の眠剤摂取は不可欠なものになっていた。

化学合成された薬剤は、必要とする薬効と多少の副作用を併せ持つ宿命にある。
医師は患者の病状の深刻度と薬剤の副作用リスクとを秤量しながら、薬剤を処方して、症状の回復を図る。

快楽を求める麻薬と違い眠剤は患者の深刻なQOL低下を救済する低リスクの必要悪と割り切っていた。

ところがである、週刊現代の新聞広告記事を見て震え上がった!

「使い続けるとあなたの身体と能に起きる異変の数々!

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コンビ二で買い求めた雑誌を手にして、その「おどろおどろした内容に」怯えかえる!

もはやどこまでが真実なのかボーゼン 自失・・・・・・・

e検索すると

「 ・超短時間型、短時間型の睡眠薬は瞬間薬効が強い分、連続服用は薬物依存の危険が増す」
超短時間型、短時間型の睡眠薬は、依存が起こりやすい
ベンゾジアゼピン系睡眠剤の欠点を改良して
1980年代に、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬が登場したが、ほとんどの臨床試験が安全性と有効性が数週間までしか検証されていない[31]。後に、睡眠薬の使用が死亡の危険性を増加させるという報告がいくつかなされた[31]。 非ベンゾジアゼピン系が、有効性、不眠症を十分に改善できないことや、安全性、昼間の倦怠感や、健忘といった認知機能への影響、転倒、骨折、事故、薬物耐性や依存において、ベンゾジアゼピン系と差が見られずに疑問が呈されている[3]。非ベンゾジアゼピン系であっても、現今の日本の不審死から検出される[25]。 」

これは参ったな~

超短時間型眠剤のほうが薬物依存が起こり易いなんて~(タラリ冷や汗!)

そういわれてみると

ここ半年の倦怠感、無気力感、脱力感、体調不良は、依存性眠剤の副作用だったのかも~

焦って、即刻、服用中止と思ったが、急に断薬すると禁断症状に近い激しい副作用が出るという。

睡眠導入剤を辞めるには、大げさに言えば、麻薬中毒治療に似た計画的な減薬が不可欠なようです。

しかし、自分から処方を申し出て、反復服用してきた経緯からして、減薬方法もある程度自分から申し出せざるを得ないだろう。
そこで
減薬方法を考える

1.具体的に減薬方法を検討する。

(1)  依存が起こりにくい睡眠薬に切り替える。

もともと、夜間頻尿による睡眠不足が原因の眠剤摂取だったので、原因が解決していない現在、摂取の眠剤をいきなり減薬したり止めてしまうと地獄に逆戻りです。
せめて、緩やかに減薬しながら、依存が起こりにくい睡眠薬(ベルソムラ)に乗り換えて行くことしようと思う。

ベルソムラ
薬物依存性がない最新のオレキシン系睡眠薬、ロゼレムと比べ睡眠導入効果と持続性に優る。
欠点は、持続時間が」長いことから、日中に眠気が残ることがある。

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リボトリール ベンゾ系 ピーク 2時間  半減 27時間

(2)使用中のマイスリーを少量ずつ長い時間をかけて減薬する。

急激に減薬すると減薬や断薬の過程で、反跳性不眠とか離脱性症状と言われる激しい禁断症状を呈することが知られており、そのとき受ける心身ダメージで、再度減薬することが精神的に非常に困難な状態に陥るという。

絶対に断薬に失敗はしたくないので、減薬は4分の1錠ずつ、長い時間をかけて禁断症状が出ないように注意しながら、慎重に減薬して行くことにします。

時間をかけ、マイスリーを半分に減薬した時点で、ベンソムラの併用を開始する予定。

両方の睡眠薬を併用しながら、マイスリーを更に減薬して、

最終的に、薬剤依存せいのあるマイスリーを断薬するのが出来たらベストです。

その、減薬の経過については、次回以降にレポートしていくことにします。

続く





(依存が起こりにくい睡眠薬 情報)
ベンゾジアゼピン系睡眠薬、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬に比べて、メラトニン受容体作動薬のロゼレムやオレキシン受容体拮抗薬のベルソムラは、依存が起こりにくい睡眠薬です。

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https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-medicine/sleeping-drug/about-sleeping-drug/

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ベルソムラについては、覚醒に関与して神経伝達物質オレキシンの受容体への結合を邪魔することで、覚醒レベルを落とし、眠気を起こす睡眠薬です。こちらもGABA系には全く関与しませんので、依存が起こりにくいです。ただ、覚醒に関与しているオレキシンの働きを抑えるため、突然の睡魔に襲われるナルコレプシーと似たような症状が出ることもあると言われていますが、発売から3年近く経過していますが、現在のところベルソムラでナルコレプシーの症状が起こったという報告は出ていません。

睡眠薬をやめたい!睡眠薬の依存性と服用・減薬の注意点を解説
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/hypnotic-dependence-11961/
マイスリー(ゾルピデム)
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-medicine/zolpidem/about-zolpidem/
美原泌尿器 夜間頻尿対策
http://medicalpage.net/report/archives/451
健康ジャーナル
https://www.minyu-net.com/kenkou/meandyou/FM20180120-236830.php
マイスリーのやめ方(減薬・断薬の方法)
https://mentalsupli.com/medication/sleeping-drug/zolpidem/zpd-deprivation/
マイスリー断薬の新常識 生活習慣より大事なこと
https://睡眠薬断薬.net/?p=739
ロゼレム、ベルソムラ
https://www.kawamotoganka.com/blog/2834/

ロゼレム、ベルソムラ、ルネスタ(西荻聖和クリニック)
https://www.nishiogi-seiwa.com/archives/1101
 
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マイスリーからベルソムラに乗り換える
http://www.stellamate-clinic.org/blog/2015/12/148201512-1242142.html

ベルソムラの効果と副作用
https://cocoromi-cl.jp/knowledge/psychiatry-medicine/suvorexant/about-suvorexant/

抗てんかん薬リボトリール
https://mentalsupli.com/medication/minor-tranquilizer/clonazepam/cnz-side/


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